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【「プレゼンを聞きたい人はいない!」営業パーソンがやりがちな3つの誤解】

2025.01.12

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はじめに

営業やプレゼンの場で、あなたはこんな経験をしたことはありませんか?

精一杯、商品の魅力を伝えるために工夫を凝らした資料を用意し、情熱を込めてプレゼンを行った。でも、お客様の反応はどこか薄い。頷きながら聞いてはくれているけれど、終わったあとに「検討します」と言われるばかりで、なかなか成果に繋がらない。
そんな場面に直面して、「自分のプレゼンに何か問題があったのか?」と悩んだことがあるかもしれません。

ここで気づいてほしいのは、そもそもお客様は「プレゼンを聞きたい」わけではない、という現実です。

お客様が望んでいるのは、あなたの商品やサービスの詳細ではなく、自分の問題が解決されること、悩みが解消されることです。たとえあなたのプレゼンが完璧であっても、それが顧客の「自分にとってどう役立つのか?」という答えを示さなければ、心には届きません。

あなたの扱う商品やサービスは、顧客にとって「手段」に過ぎません。
少し厳しい言い方をすれば、顧客はあなたの商品そのものには興味がないのです。
興味があるのは、その商品が自分の抱える課題をどう解決するのか、そしてどんな変化をもたらしてくれるのかという一点です。

ここで思い出してほしいのは、営業の本質は単なる情報提供ではないということです。営業とは、顧客の声に耳を傾け、彼らが抱える課題を理解し、その解決策を提案するプロセス。つまり、営業とは「相手を知り、その人の人生を少しでも良くするお手伝いをすること」なのです。

それなのに、多くの営業パーソンが「自分の伝えたいこと」や「商品の強み」を中心に据えたプレゼンを展開してしまいます。結果として、顧客の心に響かず、「押し売りされた」という印象だけが残ってしまうのです。ここに、営業パーソンが陥りがちな最大の誤解があります。

プレゼンが目的ではなく、手段であることを忘れないでください。
顧客にとって最も重要なのは、「自分がどうなるか」という未来の姿です。あなたの商品を購入した先に、どんな良い変化が待っているのか。これを示すことができたとき、初めて営業やプレゼンは意味を持ちます。


よくある悩みと背景情報
営業パーソンが陥りやすい最大の勘違いは、「商品の魅力を伝えれば売れる」と考えてしまうことです。しかし現実には、多くのお客様が営業やプレゼンに対して、どこか抵抗感や警戒心を抱いています。
それはなぜでしょうか?ここでは、その背景を3つの視点から見ていきます。

1. 押し売りに感じる営業への警戒心
現代のお客様は、従来の「押しの強い営業」に対して敏感です。特にインターネットが普及し、商品情報やレビューを簡単に調べられるようになった現在、顧客は「自分で選びたい」という意識を強く持っています。
そのため、一方的に情報を押し付けられるプレゼンや、「これが最高の商品です!」という営業トークは、顧客にとって不快に感じられる場合があります。彼らが求めているのは、「自分に合った解決策」を提示してくれるパートナーの存在です。

HubSpotの調査によれば、約60%の消費者が「セールスピッチは自分のニーズを全く考慮していない」と感じているという結果が出ています。これは、営業パーソンが顧客視点を欠いたプレゼンをしていることを物語っています。

2. 顧客は自分の問題にしか興味がない
多くの営業パーソンは、自分の商品やサービスを中心に話を進めがちです。しかし、顧客が聞きたいのは「この商品は自分の問題をどう解決してくれるのか?」という一点だけです。
たとえば、保険のプレゼンを受けるお客様は、商品の詳細なプランやオプションに興味があるのではなく、「将来のリスクをどう減らせるのか」「自分や家族が安心できるのか」を知りたいのです。営業パーソンがこの視点を見失うと、どれだけ立派なプレゼンをしても心に響きません。

3. 顧客は自分で解決策を選びたい
押し付けられるよりも、選択肢を示され「自分で選ぶ」プロセスを楽しみたいのが現代の顧客心理です。営業の現場でも、「これがベストだ」と言い切るスタイルよりも、「いくつかの選択肢を提示し、お客様自身に選んでもらう」アプローチのほうが効果的です。
この自由度を提供できない営業は、「自分の意思を尊重してくれない」と思われ、結果的に顧客の信頼を失うことになります。

顧客心理の理解が成功の鍵
これらの背景が示しているのは、顧客の心理を理解し、それに寄り添ったアプローチが必要だということです。顧客は営業やプレゼンに期待しているのではなく、「自分が抱える問題がどう解決されるか」を期待しているのです。この違いを理解するだけで、営業活動の質は大きく変わるはずです。


解決策:顧客に寄り添う営業アプローチの実践法
1. 顧客の「本当の悩み」を引き出すヒアリング力を磨く
営業におけるヒアリング力とは、単に質問をするだけではなく、顧客の本音を引き出し、心の中に隠れた課題や悩みを理解する力です。このスキルを磨くことが、営業成功への第一歩です。

ヒアリングの目的は、顧客の「言葉にならないニーズ」を見つけることにあります。表面的な要望だけを聞き取るのではなく、「その要望の背景にある本当の問題は何か?」を探る姿勢が重要です。

・悪い例:「今の製品に不満がありますか?」
→ これは「はい」か「いいえ」で終わる質問で、会話が広がりません。

・良い例:「現状で、もっとこうなればいいのにと思うことはありますか?」
→ 顧客の理想像を引き出し、それに基づいて課題を深掘りできます。

また、ヒアリングの際は「沈黙を恐れない」ことも大切です。顧客が考え込む時間を与えることで、より深い話を引き出せる可能性があります。

実践ポイント
ヒアリングを成功させるためには、質問だけでなく、相槌や相手への共感を交えた対話のテンポが重要です。例えば、「なるほど、確かにそうですね」と言った共感の一言を挟むことで、顧客が安心して話を続けられる雰囲気を作ります。

2. 顧客の未来像を一緒に描くストーリーテリングを活用
顧客は「この商品がどんな変化をもたらすのか」をイメージできると納得感を得やすくなります。そのために有効なのが、ストーリーテリングです。

たとえば、「私たちのお客様の中には、以前こんな課題を抱えていた方がいらっしゃいました。その方は、この商品を導入したことで、〇〇という変化を実現し、結果的に△△が可能になりました」という具体的な成功事例を伝えることです。

さらに、「もしこれを導入された場合、御社ではこんな結果が期待できるかもしれません」と顧客自身の未来像に結びつけることで、商品がもたらす価値を具体的に感じてもらえます。

3. 選択肢を提示して、顧客に「選んでもらう」アプローチを取る
顧客に選択肢を与えることは、信頼構築の重要なステップです。「これしかありません」と押し付けるのではなく、「いくつかのオプションがありますので、最適なものを一緒に考えさせてください」と提案する姿勢が顧客の心を動かします。

例:保険営業の場合
 「お客様の状況に応じて、こちらのプランA、またはプランBが考えられます。それぞれのメリットとデメリットをお話ししますので、一緒にベストな選択を決めましょう。」
このアプローチにより、顧客は「自分で選んだ」という納得感を得られるだけでなく、「この営業担当者は自分を尊重してくれている」と感じるようになります。

4. 営業活動の基準を「売る」から「助ける」に変える
営業のゴールは商品を売ることではなく、顧客を助けることです。このマインドセットを持つだけで、営業の全体的なアプローチが変わります。

・従来の営業:「この商品をどう売り込むか」
・新しい営業:「このお客様が抱える課題をどう解決できるか」

具体的には、売り込む前に「この商品やサービスが顧客の課題に本当にフィットしているか」を自問することが大切です。時には、「自社の商品ではなく、他社の方が適しているかもしれない」と正直に伝える勇気も必要です。この誠実さが顧客との長期的な信頼を築く鍵となります。

これらのステップを実践すれば、営業は単なる「売り手」から「顧客の信頼できるパートナー」に変わります。そしてその信頼こそが、結果として大きな成果をもたらすのです。


解決策実行のポイント
1. ヒアリング時の「思い込み」を排除する
ヒアリングの際に気をつけたいのは、営業側の思い込みが顧客の話を妨げることです。
「きっとこの人は〇〇を求めているだろう」と先入観を持つと、顧客の本音に気づけなくなります。

・陥りがちなミス: 顧客が「価格が高い」と言った場合、「値引きすれば解決」と決めつける。
・成功するアプローチ: 「どういった部分で価格が気になりますか?」と具体的に聞き、背景を探る。


コツ: 顧客の発言を鵜呑みにせず、その裏に隠れている感情や状況を探る姿勢を持ちましょう。「本当の課題」にたどり着くことで、提案の精度が上がります。

2. 顧客の話を「最後まで聞く」姿勢を徹底する
営業パーソンの中には、顧客の話の途中で「こういうことですよね」と結論を急いでしまう人も少なくありません。しかし、これでは顧客が伝えたい本質にたどり着けません。

・実践ポイント: 顧客が話し終わるまで決して口を挟まない。必要に応じて「それで?」や「他にはありますか?」と促すことで、顧客がさらに深い話をしてくれる可能性があります。

3. 成果を急がない:短期的なゴールではなく信頼構築を優先
多くの営業現場で、数字のプレッシャーから「早く契約を取らなければ」と焦りがちです。しかし、顧客との信頼関係を築かないまま進めた契約は、短期的な成果に終わりやすいのが現実です。

・成功の秘訣: 提案を急がず、顧客が納得し、安心感を持った上で選択できる時間を与える。これにより、長期的な信頼とリピートの可能性が大幅に向上します。

4. 提案後のフォローアップを忘れない
営業が一段落した後のフォローアップこそ、信頼を深める重要なチャンスです。特に提案後は、顧客が悩んだり、競合を比較したりする時間が必要です。

・例: 提案から数日後に「その後いかがでしょうか?」「何か疑問点があればぜひ教えてください」と連絡を入れることで、「本当に自分のことを考えてくれている」という印象を与えます。


貴社の場合はどうでしょうか?

ここまでご紹介してきた内容を読んで、貴社の営業活動と照らし合わせてみてください。次のような問いかけに、あなたはどう答えますか?

・顧客の「本当の悩み」を引き出すためのヒアリングを徹底できていますか?
営業担当者が商品やサービスの魅力を伝えることに集中するあまり、顧客が抱える課題や理想を深掘りできていないケースは意外と多いものです。今一度、チーム全体でヒアリング力を見直す機会を設けてみてはいかがでしょうか?

・顧客が「未来の自分」を想像できる提案ができていますか?
単に商品やサービスを説明するだけではなく、それを使った後の成功イメージを顧客と一緒に描くことができれば、提案の説得力は格段に増します。成功事例や顧客ストーリーを活用する仕組みを作るのも良い方法です。

・営業チームが「信頼構築」を最優先にしているでしょうか?
短期的な成果を求めすぎるあまり、信頼構築をおろそかにしていないか確認してください。信頼は一朝一夕に築けるものではありませんが、その結果として顧客との長期的な関係が生まれ、安定した売上に繋がります。


小さな改善が大きな成果を生む
営業スタイルを変えることは簡単ではありません。特に、従来の方法である程度成果を上げている場合は、現状維持の方が安心だと感じるかもしれません。しかし、変化を恐れず、小さな改善から始めることが、次の大きな成果に繋がるのです。

・営業チームでのディスカッションを実施して、現在の課題を洗い出す。
・顧客へのヒアリング方法を見直し、顧客視点をさらに徹底する。
・提案後のフォローアップを確実に行う仕組みを作る。

こうした取り組みを少しずつ積み上げていくことで、顧客との信頼関係を強化し、プレゼンや営業の成功率を高めることができます。

一歩を踏み出すために、私たちと一緒に考えてみませんか?
もし、「自社の営業スタイルを変えたいけれど、どこから手をつければ良いのかわからない」と感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。
Shine Labo わんぱくでは、営業チームの課題解決をサポートするための具体的なアドバイスやトレーニングプログラムをご用意しています。顧客が本当に求める営業スタイルを一緒に作り上げていきましょう。

今こそ、営業を「売ること」から「顧客を助けること」へと変革する時です。次のステップに進むためのご相談を、いつでもお待ちしています!

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