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【営業では“必要なもの”を勧める?それとも“欲しいもの”を売る?】

2025.01.26

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1. はじめに
営業の仕事とは何でしょうか?「商品を売ること」だけでは片づけられません。営業マンとして最前線に立つ皆さんは、目の前のお客様と真剣に向き合い、「どうすれば喜んでもらえるのか?」と考え抜いているはずです。
その中で、こんな問いに直面したことはありませんか?

「お客様に必要なものを勧めるべきなのか?それとも“欲しい”と思ってもらえるものを売るべきなのか?」

たとえば、こんな場面を想像してください。
Aさんは、お客様の課題を解決するために、自社商品の強みを丁寧に説明します。ロジカルに組み立てたプレゼンは説得力があり、問題解決に直結しています。
一方、Bさんは、お客様の言葉に耳を傾けます。「どうしてそれが欲しいのか」「その背景には何があるのか」を掘り下げ、共感を通じて商品を提案します。

どちらのアプローチも営業としての努力が込められていますが、ここで少し立ち止まって考えてみてください。
たとえば、こんな経験はないでしょうか?
お客様が「必要性」を感じて商品を購入する場合、それは「どこで買うのが安いのか?」という比較対象になりやすいものです。他社の商品とスペックや価格を並べられ、どちらがコストパフォーマンスに優れているかを検討される……そんな場面に心当たりはありませんか?

一方で、お客様が「欲しい」と感じる商品に出会ったときはどうでしょうか?
その瞬間、お客様は「価格よりも価値」を基準にして選びます。他社との比較をしなくても、「これが欲しい!」という感情で購入を決断してくれることが増えるのです。

✅さて、あなたが目指している営業スタイルは、どちらに近いでしょうか?
✅価格で選ばれる営業でしょうか?それとも価値で選ばれる営業でしょうか?

この記事では、「必要を売る営業」と「欲しいを売る営業」の違いを掘り下げていきます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解したうえで、価値で選ばれる営業スタイルを目指すためのヒントをお届けします。


2. よくある悩みと背景情報
営業現場では、「必要なものを売る営業」と「欲しいものを売る営業」の間で迷いが生じることが少なくありません。それは、どちらのアプローチも一見正しく見えるからです。しかし、それぞれの方法には異なる特性があり、成果の出方も違います。ここでは、よくある悩みとその背景について掘り下げてみましょう。

必要を売る営業の現場の声
たとえば、こんな場面に心当たりはないでしょうか?

✅お客様に商品の「機能」や「特徴」をしっかり説明したのに、「ちょっと考えます」と言われて終わってしまった。
✅価格競争に巻き込まれ、「他社の方が安い」と比較されて契約を逃した。
✅自社商品が「お客様にとって必要だ」と確信しているのに、購入をためらわれた。

・なぜこうした結果になるのか?
それは、必要を売る営業では「お客様の課題解決」がゴールになる一方で、「感情」が十分に動いていないからです。お客様にとって必要なものは、多くの場合、「あって当たり前」と感じられるため、どうしても価格や条件で比較されやすくなるのです。

欲しいを売る営業の現場の声
一方で、「欲しい」を売る営業では、こんなエピソードが見られます。

✅お客様が「これは私にピッタリだ」と自分ごととして商品を受け入れてくれる。
✅他社の価格や条件を持ち出さず、納得した表情で契約してくれる。
✅お客様自身が、「この商品が欲しい理由」を語り出す場面がある。

・この違いはどこから来るのか?
「欲しい」を売る営業では、商品の具体的な特徴よりも、「それを手に入れることでお客様が得られる未来」に焦点を当てています。たとえば、「これを使えば作業がもっと楽になりますよ」といった共感の言葉や、「これがあればもっと成功できますね」という期待感を引き出す力が鍵になります。お客様は感情で動きます。そして、その感情が「価値」を感じさせるのです。

価格で選ばれる vs 価値で選ばれる
一般的に、商品やサービスが「他社と似たような特徴」である場合、お客様は「価格」で選ぶ傾向が強くなります。営業担当者としては、こうした状況に苦しんでいる方も多いのではないでしょうか?

一方で、「独自の価値」を提供できる営業では、価格よりも「欲しい」という感情を刺激しやすくなります。たとえば、「これを使うと、〇〇の時間が半分になります」「これがあることで、競合と差をつけられます」といった未来をイメージさせる提案がポイントとなるのです。

・あなたの現場ではどうですか?
必要を売るアプローチで、価格競争に巻き込まれてしまう経験はありませんか?
あるいは、欲しいを売るアプローチで、お客様の目が輝く瞬間を感じたことはありませんか?

どちらの経験も、営業の現場では起こり得ることです。しかし、「価格で選ばれる」状況から脱却し、「価値で選ばれる」営業スタイルを目指すことが、長期的な成果につながるのではないでしょうか?


3. 解決策
「価値で選ばれる営業」を実現するためには、ヒアリングの質を高めることが不可欠です。ただし、ヒアリングの目的は単に「情報を収集すること」ではありません。お客様の悩みや欲求(=問題)を深く理解し、その先にある「最悪の未来」や「最高の未来」を一緒に考えることが重要です。このプロセスを体系的に進めることで、価格ではなく価値で選ばれる営業スタイルを構築できます。

① ヒアリング力を磨く:悩みや欲求を体系的に聴く
価値で選ばれる営業の第一歩は、お客様が抱える「悩みや欲求(=問題)」を明確にすることです。そして、それを基にお客様自身が未来を想像し、「欲しい」と感じられる状態をつくり出します。以下の3つのステップを活用して、体系的なヒアリングを行いましょう。

ステップ1:悩みや欲求(=問題)を聴く
まずは、お客様が現在抱えている課題や悩み、欲求について深掘りします。ここでは、お客様自身が現状を言語化できるようにサポートすることが重要です。

・「今、一番困っていることは何ですか?」
・「現状の〇〇で、どんなことにストレスを感じていますか?」
・「これが解決すれば、どんな良いことがあると思いますか?」

お客様が「悩み」や「欲求」を口にすることで、現状の問題がクリアになります。

ステップ2:最悪の未来を聴く
次に、その悩みや欲求が解消されない場合に起こり得る「最悪の未来」を一緒に考えます。このステップは、お客様が抱える課題の重要性を実感し、解決への動機を高めるために重要です。

・「もしこの状況が続いたら、どんな影響が出てくると思いますか?」
・「この問題を放置した場合、どんなリスクが生じそうですか?」

最悪の未来について話すときは、お客様の感情に寄り添いながら進めましょう。「そんなことになったら大変ですね」と共感を示すことで信頼関係が深まります。

ステップ3:最高の未来を聴く
最後に、「悩みや欲求が解決したときに得られる最高の未来」を一緒に描きます。お客様が目指すべき理想の状態を明確にし、それを商品やサービスで実現できるイメージを持ってもらうことが目的です。

・「もしこの課題が解決すれば、どんな未来が待っていると思いますか?」
・「その結果、どんな良いことが起きそうですか?」

ここで描かれる未来が具体的でポジティブであればあるほど、お客様の感情が動き、「欲しい」という気持ちが生まれます。

② 「未来」を描く提案をする
ヒアリングを通じて引き出した「悩みや欲求」「最悪の未来」「最高の未来」をもとに、提案を行いましょう。ポイントは、「商品やサービスがどのようにお客様の未来を変えるのか」を具体的に伝えることです。

・「このサービスを導入すれば、作業時間が1日3時間短縮できます。その分、もっと重要なプロジェクトに集中できますよね。」
・「この商品を使うことで、競合他社に先駆けて市場シェアを広げるチャンスが生まれます。」
・「これを導入することで、チームのストレスが減り、生産性が向上します。」

お客様のイメージする「最高の未来」と提案をリンクさせることがポイントです。

③感情を動かす:共感を忘れない
お客様が「欲しい」と感じるきっかけは、理屈ではなく感情から来ることが多いです。そのため、共感を示す姿勢が重要です。

たとえば、こんな言葉を添えてみましょう。

・「そのお気持ち、すごく分かります。他のお客様も同じような悩みを抱えていました。」
・「その状況、本当に大変ですよね。私たちも一緒に解決策を考えます。」

感情に寄り添うことで、価格ではなく価値に基づいた判断が生まれやすくなります。

④ 価格を超えた「付加価値」を提案する
「価値で選ばれる営業」を実現するためには、商品そのもの以外の付加価値を意識しましょう。

・アフターサービスの充実: 商品購入後の安心感を提供する。
・他の成功事例を紹介: お客様が自分の未来に重ねられるような具体的な事例を共有する。
・長期的な関係を築く姿勢: 単なる取引ではなく、パートナーとしての信頼を構築する。

価値で選ばれる営業を目指して
ヒアリングを通じてお客様の「悩みや欲求」を明確にし、最悪の未来と最高の未来を描きながら感情を動かす提案を行う。この流れを意識すれば、価格競争を脱し、「価値で選ばれる営業」が実現します。ぜひ実践してみてください!


4. 解決策実行のポイント
「価値で選ばれる営業」を目指す上で、具体的な手法を知っているだけでは不十分です。それを実行する際には、いくつかの注意点や成功のカギとなるポイントを押さえる必要があります。ここでは、ヒアリングや提案を行う際に陥りがちなミスと、それを防ぐための具体的なアプローチについて解説します。

① 質問は「押しつけ」ではなく「掘り下げ」を意識する
ヒアリングの際に最も重要なのは、お客様に「話してよかった」と感じてもらうことです。しかし、営業マンが「質問しなきゃ」と焦るあまり、一方的に詰め寄るような印象を与えてしまうケースがあります。

たとえば、次のようなミスがありがちです
・ミス例: 「それで、困っていることは何ですか?他には?他には?」
→ 質問が表面的で、深く掘り下げられていない。

・正しいアプローチ: 「今の状況について、もう少し詳しく教えていただけますか?」
→ お客様の答えを受け止めながら、「それはなぜですか?」と掘り下げることで、信頼を築きやすくなります。

✅ポイント: お客様が自分の言葉で悩みや欲求を語れるよう、丁寧に問いかけましょう。沈黙を恐れず、相手が考える時間を与えることも大切です。

② 提案のタイミングを見極める
営業マンとして、商品やサービスを提案することはゴールの一つです。しかし、ヒアリングが不十分な段階で提案に進んでしまうと、「押し売り」と感じられてしまうリスクがあります。

たとえば
・ミス例: 「今の話を聞いて、この商品なら解決できます!」(ヒアリング途中で急に提案)
→ お客様は「まだ自分の話を聞いてもらっていない」と感じる。

・正しいアプローチ: 「お話を聞いていて、解決策のイメージが少し見えてきました。もう少し詳しくお伺いしてもいいですか?」
→ すべての課題や欲求を引き出した後で、提案に進む。

✅ポイント: お客様が「自分の悩みや未来を理解してもらえた」と感じるタイミングで提案を行いましょう。

③ 「未来」を具体的に描ける資料やツールを用意する
お客様に「最高の未来」をイメージしてもらうためには、具体的な視覚的要素が効果的です。たとえば、成功事例を図やグラフで見せることで、お客様はその未来をリアルに感じられるようになります。

有効なツールの例
・ビフォー&アフターを比較した資料: 現在の課題と解決後の変化を明確に示す。
・シミュレーションツール: 数値で効果を可視化し、お客様が実感できる形にする。
・動画やストーリー形式の事例紹介: 実際のユーザーがどのように成功したかを感情的に訴える。

✅ポイント: 提案資料やツールはシンプルで分かりやすくすること。複雑すぎる資料は逆効果です。

④ 自分の役割を「売り手」ではなく「パートナー」と位置づける
営業マンとして、お客様に「この人は売りたいだけだ」と思われてしまうと、価格競争の土俵に乗らされやすくなります。一方で、「この人は自分のビジネスを本当に理解し、サポートしてくれる」と感じてもらえると、価格ではなく価値で選んでもらえる可能性が高まります。

たとえば、こんな言葉を意識してみましょう
・「この商品はあなたの課題を解決するための一つの方法です。一緒に最適なプランを探りましょう。」
・「私たちはこの商品を通じて、御社のビジネスが成功するお手伝いをしたいと考えています。」

✅ポイント: 単なる売り手ではなく、「長期的なパートナー」としての姿勢を伝えましょう。

⑤ フォローアップを徹底する
提案や契約の段階で終わりにせず、購入後のフォローアップを徹底することで、「価値で選ばれる営業」としての信頼感をさらに強めることができます。たとえば:

・納品後の状況確認: 「その後、使い心地はいかがですか?」
・追加サポートの提案: 「さらに効果を引き出すために、こんな方法もあります。」

フォローアップを通じて、「売った後もしっかりとサポートしてくれる」という安心感を提供しましょう。

実行時の心得:最初の一歩は小さくてもいい
これらのポイントをすべて完璧に実行する必要はありません。まずは、日々の営業活動の中で「一つ」だけ意識して実践してみてください。その小さな変化が、やがて大きな成果につながるはずです。


5. 貴社の場合はどうでしょうか?
ここまで、「必要を売る営業」と「欲しいを売る営業」の違いや、価値で選ばれる営業を実現するための具体的な方法についてお伝えしました。では、改めて貴社の営業スタイルを振り返ってみてください。

① 貴社の営業活動は価格で選ばれていませんか?
お客様からこんな言葉を聞くことはありませんか?

・「他社と比較してどれだけ安いの?」
・「これ、どのくらい値引きできますか?」

もしこうした場面が多い場合、もしかすると「必要」を売るアプローチが中心になっているかもしれません。価格競争に巻き込まれる営業活動は、利益を圧迫し、成果を安定させるのが難しくなるリスクがあります。

② 貴社の営業マンはお客様の「未来」を描いていますか?
「欲しい」を売る営業は、商品やサービスを通じてお客様の未来を描き、それを実現する方法を提案します。貴社の営業マンは次のような質問をしていますか?

・「この課題が解決したら、どんな未来が待っていると思いますか?」
・「これを導入することで、どんな変化を期待していますか?」

こうした質問を通じて、お客様自身が「これが欲しい!」と感じる感情を引き出すことができれば、営業の成果は大きく変わるでしょう。

③ 価値で選ばれる営業を目指す一歩を始めてみませんか?
価値で選ばれる営業を実現するために、まずはできることから始めてみましょう。たとえば:

・営業マン全員で「お客様の悩みや欲求を掘り下げるヒアリング方法」を共有する。
・提案資料を見直し、「最高の未来」を具体的に伝えられるストーリーやデータを盛り込む。
・フォローアップ体制を強化し、購入後の信頼感を高める。

大きな変化は、小さな一歩から始まります。

ご相談はお気軽にどうぞ!
この記事を読んで、「自社の営業スタイルを変えてみたい」「価値で選ばれる営業を実現する方法をもっと知りたい」と思われた方は、ぜひ一度ご相談ください。貴社ならではの課題に合わせた具体的なアドバイスをお届けします。

貴社の営業活動が、お客様の「欲しい」を実現するきっかけとなることを願っています。

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