【なぜ売れない営業はヒアリングができていないのか?営業の極意を大公開!】
はじめに
「どうして契約が取れないんだろう…?」
営業として頑張っているのに、なぜか結果が出ない。提案の資料を作り込み、ロジカルに説明しているはずなのに、お客様の反応は今ひとつ。「検討します」と言われたまま連絡が途絶え、いつの間にか競合に取られてしまう。こんな経験、ありませんか?
結果が出ないと、自分に足りないのは「提案力」や「プレゼン力」だと思いがちです。だからこそ、さらに話す内容を磨き、より説得力のあるトークをしようとする。けれど、それが裏目に出てしまうことが多いのです。
売れない営業の多くは、契約が欲しいがために「話しすぎて」「見込客の話が聞けていない」
お客様の課題を深く理解する前に、「うちの商品なら解決できます!」「このサービスが最適です!」と一生懸命に伝えてしまう。けれど、お客様は心の中でこう思っています。
「この人、結局は売りたいだけなんだな。」
「本当にうちのことを分かってるの?」
「そもそも、私の話をちゃんと聞いてくれたっけ?」
そうして、気づかぬうちに信頼を失い、契約には至らないのです。
一方で、トップ営業は決して売り込まない。むしろ「話す」より「聞く」ことに時間をかける。
彼らは、商品の説明をする前に、お客様の言葉にじっくり耳を傾け、「この人は自分のことを理解してくれている」と思わせることに徹するのです。
では、なぜ「聞く」ことが営業の成功を左右するのか?
そして、売れる営業が実践している「本当のヒアリング」とは?
それを、この記事で解き明かしていきます。
売れない営業の共通点:ヒアリング不足が命取りに
「話せば話すほど、お客様は納得してくれるはずだ」
「商品の魅力をしっかり伝えれば、契約につながるはずだ」
そう信じて、一生懸命にプレゼンをしている営業マンは多いでしょう。けれど、現実はどうでしょうか?
✅ 提案の途中でお客様の目が泳ぎ始める
✅ 「なるほど、検討しますね」と言われて終わる
✅ クロージングで「もう少し考えさせてください」と断られる
こんな経験が続いているなら、原因は「伝え方」ではなく、「聞き方」にあるかもしれません。
売れない営業の特徴①:商品を売ることが目的になっている
売れない営業の多くは、ヒアリングを「契約のためのステップ」だと考えています。
「お客様のニーズを聞いて、それに合う商品を提案する」という流れで進めようとするのですが、実はここに落とし穴があります。
なぜなら、お客様自身が「自分の本当の課題」に気づいていないことが多いからです。
表面的なニーズだけを拾って提案しても、「なんとなく違うな」と思われてしまい、決定打に欠けるのです。
売れない営業の特徴②:「聞いているつもり」になっている
「いや、自分はちゃんとヒアリングしている!」と思うかもしれません。でも、次のようなことをしていませんか?
❌ 質問をしても、お客様が話し終わる前に口を挟んでしまう
❌ 「それは○○ということですね」と、勝手に解釈してまとめてしまう
❌ 相手の答えを深掘りせず、すぐに自社商品の説明を始める
このような「聞いているつもり」の営業は、お客様の本音を引き出せません。
結果として、表面的な会話だけで終わり、「とりあえず他社と比較して決めますね」となってしまうのです。
売れない営業の特徴③:「提案ありき」の会話になっている
売れない営業は、無意識のうちに「どうやってこの商品を売ろう?」と考えながら話しています。
つまり、お客様の話を聞きながらも、頭の中では「このポイントを強調しよう」「この機能をアピールしよう」と考えているのです。
しかし、そんな態度はすぐに相手に伝わります。
お客様は「売り込まれる」と感じると、無意識に警戒し、本音を話さなくなります。
こうなると、どんなに魅力的な提案をしても、お客様の心には響きません。
では、売れる営業はどうしているのか?
彼らは、どんなヒアリングをして、どのように信頼関係を築いているのか?
売れる営業が実践する「ヒアリングの極意」
売れる営業と売れない営業の違いは何か?
それは、「話す量」ではなく「聴く質」にあります。
トップ営業は決して口数が多いわけではありません。むしろ、お客様が話す時間のほうが長いのです。では、彼らはどのようにしてお客様の本音を引き出し、信頼を得ているのでしょうか?ここでは、売れる営業が実践する「ヒアリングの極意」を紹介します。
① 「沈黙を恐れない」営業は間の取り方が9割
売れない営業は、相手が話し終わるとすぐに言葉を被せてしまいがちです。しかし、売れる営業は「沈黙」を味方につけます。
なぜなら、人は間があると「もっと話さなきゃ」と思い、本音を引き出しやすくなるからです。
例えば、こんなシーンを想像してみてください。
👤 営業:「最近、どんなことに課題を感じていますか?」
🧑💼 お客様:「そうですね…やっぱり売上が伸び悩んでいて…」
(ここで営業がすぐに「なるほど、では○○のサービスはいかがでしょう?」と言ってしまうと、会話が浅いまま終わる。)
売れる営業はここで “3秒待つ” のです。
すると、お客様は沈黙に耐えられず、こう続けます。
🧑💼 「実は、売上が伸びない理由がよくわかっていなくて…営業のモチベーションも下がっているんですよね…」
ここで初めて、お客様が本当に悩んでいることが見えてきます。
「間を取ること」は、一見シンプルですが、意識しないと難しいテクニックです。
✅ ポイント:「お客様の言葉を待つ勇気を持つこと」
② 「なぜ?」を3回繰り返す。そして、 本当の課題を見つける
売れない営業は、お客様の表面的な悩みに対して、すぐに提案をしてしまいます。しかし、売れる営業は違います。彼らは、「なぜ?」を3回繰り返すことで、お客様の本当の課題を掘り下げていきます。
例えば、こんな会話の流れです。
👤 営業:「最近、営業の成果はどうですか?」
🧑💼 お客様:「あまり良くないですね。」
👤 営業:「なぜ成果が出ていないと感じますか?」
🧑💼 「新人が多くて、なかなか受注につながらないんです。」
👤 営業:「なぜ、新人の受注率が低いんでしょうか?」
🧑💼 「トークスクリプトはあるんですが、マニュアル通りの話し方しかできなくて…」
👤 営業:「なぜ、マニュアル通りの話し方しかできないんでしょう?」
🧑💼 「実は、マニュアルの内容がお客様の課題に合っていないのかもしれません…」
このように深掘りすることで、「本当に解決すべき課題」が見えてきます。
売れる営業は、お客様が気づいていない課題まで掘り起こし、「そうそう、まさにそこなんだよ!」と言わせる力を持っています。
✅ ポイント:「『なぜ?』を3回繰り返して、核心に迫る」
③ 「相手の言葉を繰り返す」 共感の技術
「この人は自分の話をちゃんと聞いてくれている」と感じると、人は心を開きやすくなります。そのために効果的なのが、「相手の言葉を繰り返す」というテクニックです。
例えば、お客様が「最近、営業がうまくいっていなくて…」と言ったとします。
売れない営業は、「それならこの商品を使うといいですよ!」とすぐに話を展開してしまう。
一方、売れる営業はこう返します。
🧑💼 お客様:「最近、営業がうまくいっていなくて…」
👤 営業:「営業がうまくいっていないんですね。」(相手の言葉を繰り返す)
🧑💼 「そうなんです。具体的には、アポイントが全然取れなくて…」
👤 営業:「アポイントが取れないことが、一番の課題なんですね。」(もう一度繰り返す)
🧑💼 「ええ、特に新規開拓が難しくて…」
このように、お客様の言葉を繰り返すだけで、会話がどんどん深まっていくのです。
相手は「この人は話を聞いてくれている」と感じ、安心して本音を話せるようになります。
✅ ポイント:「相手の言葉をオウム返しし、会話を深める」
④ 「問題(ニーズ)」か「欲求(ウォンツ)」かを見極める
売れない営業の多くは、「顧客のニーズ(問題)」と「顧客のウォンツ(欲求)」を区別せずにヒアリングを進めてしまいます。しかし、売れる営業は、顧客が「問題」を抱えているのか、「欲求」を持っているのかを見極め、それに応じた質問をするのです。
🔹顧客の「問題(ニーズ)」を解決したい場合 → 問題点を聞く
お客様が「現状に課題を感じている」場合、その問題の本質を探ることが重要です。
✅ 質問例
・「現在の業務で、一番負担になっているのはどんな点ですか?」
・「理想の状態と比べて、どんな課題を感じていますか?」
・「その問題が解決できたら、どんな変化が起こりそうですか?」
例えば、業務効率化を求める企業であれば、「作業に時間がかかりすぎる」「人的ミスが多い」といった 「解決したい課題」 が存在します。この場合、ヒアリングでは「何が原因で時間がかかっているのか?」など、問題点を深掘りしていくことが大切です。
🔹顧客の「欲求(ウォンツ)」を満たしたい場合 → 現状を聞く
一方で、お客様が「何かをより良くしたい」と考えている場合は、問題点ではなく 「現状」と「理想のギャップ」 にフォーカスした質問をするのが効果的です。
✅ 質問例
・「今よりもっと良くしたい点はありますか?」
・「理想の状態を100点としたら、今は何点くらいでしょう?」
・「他に、もっと満足できる形はありますか?」
例えば、新しいマーケティング施策を検討している企業は、「今もうまくいっているけど、もっと成果を伸ばしたい」と考えていることが多い。この場合、「現在の施策の満足度」や「もっと理想に近づけるポイント」を掘り下げることで、より具体的な提案につなげられます。
まとめ
売れる営業が実践しているヒアリングの極意は、次の4つです。
① 「沈黙を恐れない」 - 3秒待つことで相手の本音を引き出す
② 「なぜ?」を3回繰り返す - 表面的な課題ではなく、本当の悩みを探る
③ 「相手の言葉を繰り返す」 - 共感を示し、深い信頼関係を築く
④ 「問題(ニーズ)」か「欲求(ウォンツ)」かを見極める - それぞれに適した質問を使い分ける
営業は「話す仕事」ではなく、「聴く仕事」です。
ヒアリング力を高めることで、無理なセールスをしなくても、お客様が自然と「この人にお願いしたい」と思うようになります。
では、実際にヒアリングを変えたことで結果を出した事例を、次のセクションでご紹介します。
ヒアリングを改善すると、こんなに変わる!成功事例
ヒアリングを変えるだけで、営業の成果は劇的に変わります。ここでは、「話す営業」から「聞く営業」に変えたことで成約率が大きく向上した実際の事例 を紹介します。
📌 ケース①:「話す営業」から「聴く営業」で成約率が2倍に
🛑 Before:売り込む営業で空回り…
Aさんは、あるITソリューションを販売する営業マン。彼はとにかく「商品の魅力を伝えること」が営業の仕事だと思っていました。
ヒアリングの時間は短く、すぐに「このシステムを導入すれば、業務効率が30%向上します!」と提案。
しかし、結果は惨敗…。商談後、「検討します」と言われることが多く、成約にはなかなかつながりませんでした。
✅ After:ヒアリングを重視し、顧客の悩みに寄り添う
そんなAさんが変わったのは、「まずは徹底的にお客様の話を聴く」 というシンプルなルールを取り入れたことでした。
🔹 具体的に変えたこと
✔️ 商品の説明を始める前に、お客様の業務フローを細かくヒアリング
✔️ 「なぜ?」を3回繰り返して、本当の課題を掘り下げる
✔️ 「このシステムが必要だ」と言うのではなく、お客様自身に「こういう仕組みがあれば便利ですね」と気づかせる
すると、お客様の反応が一変 しました。
「この人は本当にうちのことを考えてくれている」と感じてもらえるようになり、商談の終盤ではお客様のほうから「このシステムなら導入を検討したい」と言ってくれることが増えたのです。
結果として、成約率が約2倍に向上!
「話す営業」から「聴く営業」にシフトしただけで、成果は大きく変わったのです。
📌 ケース②:「価格勝負」から「価値勝負」で競争に巻き込まれずに受注
🛑 Before:価格で負ける営業
Bさんは広告代理店の営業。彼の悩みは、「他社との価格競争に巻き込まれてしまうこと」でした。
ヒアリングはそこそこに済ませ、「うちの広告プランは他社より安くて効果的ですよ!」とアピール。
しかし、結局は「他の会社のほうが安いから、そちらにお願いする」と断られることがほとんどでした。
✅ After:「顧客のウォンツ」を深掘りし、価値を訴求
Bさんが変えたのは、「顧客の欲求(ウォンツ)にフォーカスする」 ことでした。
🔹 具体的に変えたこと
✔️ 「今の広告施策でどれくらい満足されていますか?」と質問し、理想と現状のギャップを確認
✔️ 「もし広告の成果が2倍になったら、どんなメリットがありますか?」と聞き、顧客の本当の期待を引き出す
✔️ 「価格」ではなく、「価値」に焦点を当てて提案
結果、「価格が多少高くても、Bさんの提案が一番納得できる」と受注が決まることが増えた のです。
この変化により、Bさんの受注率は大幅にアップし、競争の激しい市場でも安売りせずに成果を出せるようになりました。
成功の共通点:「聞くこと」が最大の武器になる
この2つのケースから分かるのは、売れる営業は「売り込む」のではなく、「聞く」ことで価値を伝えている ということです。
✅ 成約率を上げた営業が実践したこと
・お客様が話しやすい雰囲気を作り、「沈黙を恐れない」
・「なぜ?」を3回繰り返して、本当の課題を掘り下げる
・「価格」ではなく、「価値」に焦点を当てる
・ニーズ(問題)かウォンツ(欲求)かを見極め、それに応じた質問をする
「売る」のではなく、「聴く」ことができれば、お客様が「ぜひお願いしたい」と思うようになります。
では、最後にこの記事のまとめと、あなたが今日から実践できるアクションについてお話しします。
貴社の場合はどうでしょうか?
ここまで読んで、「自分の営業は本当に聞けているだろうか?」と考えた方もいるかもしれません。
営業の現場では、「話すこと」が仕事だと思い込んでしまいがちです。
しかし、本当に売れる営業は、話すのではなく、聞くことに徹している のです。
✅ 売れない営業は…
・自社の商品・サービスを売り込むことに必死
・ヒアリングしているつもりでも、実はお客様の言葉を遮っている
・価格で勝負しようとして、結局他社に取られてしまう
✅ 売れる営業は…
・お客様の本音を引き出すことに集中
・「なぜ?」を繰り返し、課題の本質を探る
・価格ではなく、価値で勝負し、信頼で契約を獲得する
あなたの営業チームでは、どれだけ「聴く営業」が実践できていますか?
✅ 今日から実践できるアクションプラン
🔹 商談の「話す時間」と「聴く時間」を測る
👉 もし、自分が話している時間のほうが長いなら、ヒアリングの改善が必要かもしれません。
🔹 ヒアリングで「なぜ?」を3回繰り返してみる
👉 すぐに提案せず、お客様の言葉を深掘りしてみましょう。
🔹 沈黙を恐れず、3秒間待つ
👉 すぐに口を挟まず、お客様が自然と話し出すのを待ってみましょう。
貴社の営業力をさらに高めるため
もし、「うちの営業はまだまだヒアリングが弱いかも…」 と思ったら、今こそ改善のチャンスです。
営業チームのヒアリング力を強化し、より高い成果を出すための方法を知りたい場合は、お気軽にご相談ください。
「売れる営業」は、話すのではなく、聞くことで生まれる。
今日から、あなたの営業スタイルを変えてみませんか?