【売れない営業はプレゼンを磨く、売れる営業は〇〇〇〇を磨く】
はじめに:売れる営業と売れない営業の決定的な違い
「この商品、本当にいいんです!メリットは◯◯で、今ならお得なキャンペーンも……」
一生懸命プレゼンをして、商品の魅力を伝えて、最後に勇気を振り絞ってクロージング。
「いかがでしょうか?」
すると、相手の反応は……微妙。
「うーん、ちょっと考えますね」
「いい商品だと思うんですけど……」
そして、後日改めて連絡しても、
「すみません、今回は見送ります」
この瞬間、心の中で「なんで⁉ あれだけ魅力を伝えたのに!」と叫びたくなる。
これ、営業をやっている人なら、何度も経験しているはずです。
だからこそ、多くの営業がこう思います。
✔ もっとプレゼンを磨かないと!
✔ クロージングが甘いのかも、テクニックを学ばないと!
✔ ロープレを繰り返して、成約率を上げるぞ!
私もやっていました。
その気持ちめちゃ分かります。
でも、ここで立ち止まって考えてみてください。
プレゼンを磨いても、クロージングを強化しても、それだけでは売れないんです。
なぜなら、営業で最も大切なのは「テクニック」ではなく「マインドセット」だから。
実際、トップ営業を見てみると、意外なほど「普通」に話していることが多い。
プレゼンは特別上手いわけじゃないし、クロージングで強引に押し切ることもない。
それなのに、なぜかお客様の方から「ぜひお願いします!」と言ってくる。
一方で、売れない営業ほど、
✔ 商品の魅力を必死に伝えようとする
✔ クロージングの場面でプレッシャーをかけようとする
✔ 契約を取ることばかりに意識が向く
つまり、「売ること」が目的になっている。
でも、売れる営業は違います。
彼らの頭の中には「売る」という意識はほとんどない。
彼らが考えているのは、ただ一つ「この人の役に立つには、どうすればいいんだろう?」
そう、売れる営業が磨いているのは、「サポーターとしてのマインドセット」なのです。
これこそが、売れる営業と売れない営業を分ける最大のポイント。
次の章では、「売る営業」と「サポートする営業」の決定的な違いを詳しく掘り下げていきます。
よくある誤解:「プレゼンとクロージングが上手くなれば売れる」
営業の世界では、こんな言葉をよく聞きます。
「プレゼン力を鍛えれば売れる!」
「クロージングの技術が成功を左右する!」
だから、多くの営業がロープレを繰り返し、話し方を改善し、クロージングのテクニックを学びます。
確かに、プレゼンやクロージングがうまいに越したことはありません。でも、それだけを磨いても結果が出ないことに気づいた人も多いのではないでしょうか?
たとえば、あなたの周りにこんな営業はいませんか?
✔ 商品の説明が完璧で、スライドの作り込みもすごいのに、なぜか売れない人
✔ クロージングのフレーズを駆使しても、結局「検討します」で終わる人
✔ トークの流れはスムーズなのに、お客様の心が動いていない人
彼らの共通点は何でしょうか?
それは、「売ること」にフォーカスしすぎていることです。
プレゼンが上手い営業ほどハマる落とし穴
たとえば、あなたが新しいパソコンを買おうとしているとします。
A社の営業担当は、製品のスペックや機能を流暢に説明し、スライドを使いながら熱心にプレゼンしてくれました。
B社の営業担当は、最初にあなたの仕事のスタイルや悩みを聞き、「なるほど、それならこの機能が役立ちそうですね」と、あなたに合った提案をしてくれました。
どちらから買いたいと思うでしょうか?
多くの人は、B社の営業を選ぶはずです。なぜなら、単なる「製品の説明」ではなく、自分に合った解決策を示してくれたから。
売れない営業は「いかに伝えるか?」に意識を向ける。
売れる営業は「いかに相手に寄り添うか?」に意識を向ける。
つまり、プレゼンを磨くことよりも、「相手の課題を理解し、共感するマインド」を持つことが重要なのです。
クロージングの技術よりも、クロージング前の関係性が大事
営業の研修では、クロージングテクニックを学ぶことが多いですが、実際の商談では、クロージングの前に勝負が決まっていることがほとんどです。
「今決めていただければ、特別に〇〇をお付けします!」
「本日中にご契約いただければ、特典があります!」
こういったテクニックは確かに有効な場面もありますが、本当にお客様が納得していなければ、「ちょっと考えます」と言われて終わります。
むしろ、「売らなきゃ」と思っている営業ほど、クロージングの瞬間にプレッシャーを感じてしまい、空回りしてしまうのです。
トップ営業は、クロージングを強く意識していません。なぜなら、お客様自身が「もう決めました」と言ってくれるからです。
では、なぜトップ営業は自然に契約を取れるのか?
それは、「サポーターとしてのマインドセット」を持っているからです。
次の章では、「売る営業」と「サポートする営業」の違いを具体的に掘り下げていきます。
売れる営業が磨いているのは〇〇(マインドセット)
売れない営業は、プレゼンやクロージングのテクニックを磨こうとします。
でも、売れる営業は違います。
彼らが最も大切にしているのは、「サポーターとしてのマインドセット」です。
なぜ、マインドセットが営業の成否を分けるのでしょうか?
「売らなきゃ」と思う営業 vs. 「サポートしなきゃ」と思う営業
✔ 「売らなきゃ」と思っている営業
・商品やサービスのメリットを伝えようとする
・顧客が何を求めているかより、自分が話す内容を優先する
・「どう売るか?」に意識が向き、顧客の表情や反応を見落としがち
✔ 「サポートしなきゃ」と思っている営業
・まず相手の現状や悩みを知ろうとする
・「この人にとってベストな解決策は何か?」を考える
・自然と「聞く力」が強化され、顧客のニーズに寄り添える
売れない営業は、商談に入るときに「今日は絶対に売るぞ!」と意気込んでいます。
一方、売れる営業は「今日はどんな課題があるか聞いてみよう」という意識で臨みます。
マインドセットが違うだけで、営業のアプローチが根本から変わるのです。
「売る営業」と「サポートする営業」の違い
例として、2人の営業の商談の流れを比較してみましょう。
Aさん(売る営業)
✅ 事前にしっかりプレゼン資料を用意
✅ 商品の特徴やメリットを熱心に説明
✅ クロージングのタイミングを見計らい、「決めていただけますか?」と迫る
✅ 「ちょっと考えます」と言われ、次につながらない
Bさん(サポートする営業)
✅ まず相手の課題をじっくりヒアリング
✅ その場で提案するのではなく、一緒に課題の整理をする
✅ 「なるほど、それならこの方法が役に立ちそうですね」と、相手の視点に立って話す
✅ 「それ、いいですね!」と顧客の方から前向きな反応が出る
Aさんの営業スタイルは、「売るために話す」ことにフォーカスしています。
Bさんの営業スタイルは、「顧客の成功をサポートすること」にフォーカスしています。
結果的に、Bさんの方が信頼を得て、契約につながりやすくなるのです。
なぜ、マインドセットが行動を変えるのか?
人間は、考え方(マインドセット)によって行動が変わります。
例えば、あなたが朝、嫌なことがあって不機嫌に出社したとします。
その日一日、周囲の人の反応はどうなるでしょうか?
・話しかけられにくくなる
・コミュニケーションがギクシャクする
・何をやってもうまくいかない気がする
逆に、すごくいいことがあって、テンション高く出社したとしたら?
・周りの人も自然と明るくなる
・商談もうまくいく
・ポジティブな雰囲気が伝わり、契約が取れる
このように、自分のマインドセットが、相手の反応を大きく左右するのです。
営業でも同じことが言えます。
「売らなきゃ」と思っていると、相手は売り込まれる雰囲気を感じて警戒します。
「サポートしなきゃ」と思っていると、相手は安心して相談できるようになります。
だからこそ、売れる営業は「サポーターのマインドセット」を意識しているのです。
次の章では、このマインドセットを実際の営業で活かす方法を解説していきます。
マインドセットを変えるための実践方法
ここまでで、「売れる営業はサポーターのマインドセットを持っている」ことをお伝えしました。
では、どうすれば「売らなきゃ」から「サポートしなきゃ」に切り替えられるのでしょうか?
ここでは、すぐに実践できる4つのポイントを紹介します。
✅ 1. 「営業=問題解決の仕事」と考える
まず、営業の仕事の定義を変えましょう。
営業とは「商品を売ること」ではなく、「顧客の課題を解決すること」です。
例えば、医者が患者を診察するとき、いきなり「この薬を買ってください!」とは言いませんよね。
まずは症状を聞き、適切な治療を提案します。
営業も同じ。
顧客の課題を把握せずに、いきなり商品を提案するのはNG。
「この人の課題は何だろう?」という視点で話を聞くことが大切です。
✅ 2. 目標を「売上」ではなく「顧客の成功」にシフトする
営業の目標を「月○件の契約を取る」ではなく、「顧客が成功すること」にシフトしましょう。
例えば、あなたが法人向けのシステムを販売しているとします。
目標を「10件契約を取る」ではなく、
「10社の業務効率を改善し、生産性を向上させる」と考えてみてください。
こうすると、売ることが目的ではなくなり、「この会社にとって最適な提案は何か?」を考えるようになります。
結果的に、お客様に寄り添った営業ができるようになり、契約にもつながりやすくなるのです。
✅ 3. 「売る前に聞く」を徹底する
売れる営業ほど、話す前にとにかく聞くことを徹底しています。
ただし、いきなり「課題は何ですか?」と聞いても、本当の悩みは出てきません。
なぜなら、お客様自身が課題に気づいていないことが多いからです。
だからこそ、まずは「現状」を聞き、そこから深掘りしていくことが大切です。
例えば、こんな質問を使うと効果的です。
✔ 「現在の業務の流れを教えていただけますか?」
✔ 「最近、大きく変わったことはありますか?」
✔ 「今、何に一番時間がかかっていますか?」
こうした質問をすると、お客様は具体的に自分の状況を話してくれます。
その中から、潜在的な課題を見つけていくのです。
さらに、深掘りするための質問を重ねていくと、真の課題が見えてきます。
✔ 「なるほど、その作業にはどのくらいの時間がかかりますか?」
✔ 「それを改善できたら、どんなメリットがありますか?」
✔ 「その中で、一番負担に感じているのはどこですか?」
このように、現状を掘り下げながら課題を浮き彫りにすることで、
お客様が「確かに、ここが問題かもしれない」と気づきやすくなります。
結果、あなたの提案を「自分ごと」として受け止めてもらいやすくなるのです。
✅ 4. 「どうすれば買いたくなるか?」ではなく「どうすれば助けられるか?」を考える
「この人にどうやって商品を売るか?」ではなく、
「この人の役に立つにはどうすればいいか?」を考える。
この意識を持つだけで、営業のスタンスが大きく変わります。
✔ 「この商品を売りたい」 → 「この人の課題解決に合っているか?」
✔ 「クロージングで押し切る」 → 「納得してもらえているか?」
✔ 「値引きしてでも売る」 → 「価格以上の価値を感じてもらえているか?」
この視点を持つと、売り込まずに「必要だから買いたい」と思ってもらえるようになります。
まとめ:マインドセットが変われば営業成績が変わる
売れない営業は「どうやって売るか?」にこだわる。
売れる営業は「どうやってサポートするか?」にフォーカスする。
このマインドセットを持つだけで、商談の流れは劇的に変わります。
✅ 営業は「問題解決の仕事」だと考える
✅ 目標を「売上」ではなく「顧客の成功」にする
✅ 売る前にとにかく聞く
✅ 「売る」ではなく「助ける」に意識をシフトする
この4つを意識すれば、あなたの営業スタイルも確実に変わります。
次の商談では、ぜひ「サポーターのマインド」で臨んでみてください!
貴社の場合はどうでしょうか?
ここまで読んで、「確かにマインドセットが大事なのは分かった。でも、うちの営業にどう落とし込めばいいんだろう?」と思ったかもしれません。
マインドセットは、個人の意識の問題だけではなく、組織全体の文化として根付かせることが重要です。
では、貴社の営業チームに「サポーターのマインド」を根付かせるためには、どうすればいいのでしょうか?
✅ 1. 営業のKPIを「売上」だけでなく「顧客成功」にシフトする
売れる営業は「売ること」ではなく、「顧客を成功させること」にフォーカスしています。
例えば、営業の目標設定を「契約件数」だけでなく、「導入後の顧客の成果」にすることで、
自然と「サポートするマインド」が育ちます。
✔ 成約数 → 契約後の継続率や満足度も評価する
✔ 売上目標 → 顧客の業務改善や成功事例をチームで共有する
こうすることで、売上だけを追う営業スタイルから、「顧客の成功を支援する営業」へとシフトできます。
✅ 2. 商談のロープレを「プレゼン」ではなく「ヒアリング重視」にする
営業研修でよくあるのが「プレゼン練習」ですが、これだけでは本質的な課題解決にはなりません。
むしろ、「どう話すか」ではなく、**「どう聞くか」**のトレーニングを重視すべきです。
✔ 「まず現状を聞き、深掘りする」練習を行う
✔ お客様の課題を整理するプロセスを学ぶ
✔ 「どうやって売るか?」より「どうやって助けるか?」を考えるワークを取り入れる
「話す営業」ではなく「聞く営業」を育てる環境を作ることが、組織全体の成長につながります。
✅ 3. まずは営業リーダーが「サポーターのマインドセット」を持つ
営業チームの文化は、リーダーの意識によって大きく変わります。
営業マネージャーやリーダー自身が、
✔ 「売れ売れプレッシャー」ではなく「顧客の成功」にフォーカスする
✔ 部下に対しても「なぜ売れたか?」「なぜ売れなかったか?」ではなく「顧客の課題は何だったか?」を問いかける
こうした姿勢を持つことで、営業メンバーの意識も自然と変わっていきます。
まとめ:今日からできる3つのアクション
貴社の営業チームに「サポーターのマインドセット」を根付かせるために、まずは以下の3つを実践してみてください。
✅ 営業のKPIを「顧客成功」にシフトする
✅ ロープレを「プレゼン」から「ヒアリング重視」に変える
✅ 営業リーダーが「サポート思考」を実践する
この3つを取り入れることで、貴社の営業スタイルは確実に変わります。
次の商談では、ぜひ「売る」ではなく「サポートする」意識を持って臨んでみてください!